皆さん「RAW現像」という言葉をご存知でしょうか?
RAW現像は、一眼レフカメラの強みの一つで、簡単に言うと撮影した写真の保存形式のことです。何が良いのかといいますと、写真の明るさや色味などを、撮影後に補正することができるんです!
今回はそんなRAW現像について、その特徴と、実際にどういった補正ができるかを解説します。
RAW現像とは?
RAW現像とは、「RAW」という保存形式で写真を撮影することです。
有名な写真の保存形式として「JPEG」などがありますが、これらとRAW形式ではどういった違いがあるのでしょうか?
わかりやすいように表にまとめてみました↓

※2:RAW画像を開いたり補正をしたりするソフトは、カメラメーカーから無料で提供されており、容易に入手が可能です。また、補正終了後に別ファイルとしてJPEG形式で保存すれば、汎用性の問題は解決されます。
※3:多くのカメラでは、メニューから保存形式を簡単に切り替えることができます。
表をご覧いただくとわかる通り、ファイルサイズや汎用性に関するデメリットはあるものの、こだわった写真を撮りたい方にとってRAW現像がいかに有効かがわかると思います。
RAWデータはどんな補正ができるか?
代表的な補正項目は以下になります
- 明るさ(写真全体はもちろん、特定の色のみも可)
- 鮮やかさ(写真全体はもちろん、特定の色のみも可)
- 色合い(黄色を緑に変える、など)
- 傾き(例:斜めに映ってしまった地平線を修正できます)
言葉を並べてもあまりイメージがわかないと思いますが、これらの補正により驚くほど写真の印象を変えることができます。
実際の補正例を見てみましょう。

いかがでしょうか?JPEG形式で保存していれば「失敗写真」として削除していた写真ですが、RAW形式のおかげで満足できるレベルに引き上げることができました。因みに、この写真の主な補正項目は以下の通りです。
・明るさ(全体的に明るく)
・鮮やかさ(全体的に鮮やかに、特に茶色はより鮮やかに)
・トリミング(余計な部分をカット)
RAW現像及び補正をやってみたい方へ
大きく分けると以下の4ステップが必要になります。
- カメラの設定で保存形式を「RAW」に設定
- 写真を撮影
- 補正用のソフトを入手しPCにインストール
- 補正
①に関しては、先述の通り、写真の保存形式はカメラのメニューから簡単に変えることができます(分からない方は取扱説明書を見て頂ければ書いてあるはずです)。
③に関しては、カメラを購入した際の付属品としてインストール用のディスクが同梱されていたり、カメラーメーカーの公式サイトから無料でダウンロードできたりするので、こちらも難易度は低いです。
そしてもっとも難易度が高いのは④になります。これは、色に関する専門知識が必要だったり、ソフトを使いこなす為に慣れや知識が必要だったりするためです。ただし、補正の方法を解説した書籍やWebサイトも多くありますので、より良い写真の為に、是非チャレンジしてみてください!
因みに私は「NX-D RAW現像 完全ガイドブック」という本で勉強しました!Nikonでは「NX-D」という補正用ソフトが公式より提供されており、この本はこのソフトで使えるあらゆる機能の詳細な説明や、実際の写真を用いた補正例が紹介されており、長く愛用できるいい本です!Nikonユーザーにはお勧めの一冊です!
RAW現像の注意点(重要)
RAW現像を実行するにあたって私が一番大事だと思う点をお伝えしたいと思います。それは「RAW補正は万全ではないので、結局は撮影の腕が最重要」ということです。
私がこのように思う理由として、以下が挙げられます。
- 白とび(明るすぎて真っ白)や黒つぶれ(暗すぎて真っ黒)の部分は、RAW補正でもディティールを再現させることは不可能➡撮影時の適切な露出設定が必要
- ピンボケは修正が不可能➡撮影時の正確なピント合わせと適切な絞り値設定が必要
- ブレは修正が不可能➡撮影時の適切なシャッタースピードが必要
- 構図は写真でないでしか補正できない➡撮影時の適切な構図取りが必要
- 明るさ、鮮やかさ、色味などの補正幅には限界がある➡撮影時の適切な設定が必要
ということで、写真撮影の腕を向上させたい方は、RAW補正はあくまで補助的なツールとして捉えることをお勧めします!
当記事は以上になります!RAW現像/補正は非常に便利なので、ご存知でなかった方はこれを機に、是非ご活用いただければと思います!
参考
上田晃司+ナイスク. Nikon Capture NX-D RAW現像 完全ガイドブック. 技術評論社. 初版. 159p